法定福利厚生とは?それぞれ分かりやすく解説します!

法定福利厚生は、企業が法律で加入を義務付けられている社会保険制度です。
主に、「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」4つがあります。
それぞれの加入条件やルールを分かりやすく解説します。
本記事で解決できること
法定福利の種類と加入条件・ルールについて、理解することができます。
目次
健康保険について
健康保険は、病気やケガをしたときに医療費の一部をカバーする制度です。
会社の規模に関わらず、正社員は必須加入。パート・アルバイトも以下の条件を満たす場合、加入対象となります。
加入条件
- 週の所定労働時間が 30時間以上(または正社員の4分の3以上)
- 勤務期間が 2か月以上 継続する見込み
ルール
- 保険料は会社と折半(例:総支給額の約10%を企業と労働者が半分ずつ負担)。
- 病院の窓口負担は3割(会社員本人)、家族は3割または2割。
- 傷病手当金(病気やケガで働けない場合、給与の2/3を最長1年6か月支給)。
厚生年金について
厚生年金は、老後の年金額を増やすための制度(国民年金に上乗せ)です。
加入条件
- 健康保険に加入する人は自動的に厚生年金にも加入。
- パート・アルバイトも健康保険の条件を満たせば加入。
ルール
- 保険料は給与の18.3%(会社と労働者で折半)。
- 65歳から受給可能(国民年金+厚生年金の2階建て)。
- 退職後でも10年以上加入していれば年金を受け取れる。
- 障害年金・遺族年金もあり、事故や死亡時にも保障あり。
雇用保険について
雇用保険は、失業時に失業手当(基本手当)を受け取れる制度です。
正社員・契約社員・パート・アルバイトも以下の条件を満たす場合、加入対象となります。
加入条件
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上の雇用見込みがある
ルール
- 保険料は会社と折半(例:総支給額の約10%を企業と労働者が半分ずつ負担)。
- 失業手当(基本手当)の受給条件
→離職前2年間で通算12か月以上の加入歴が必要(特定条件なら6か月)。
→受給期間は90~330日(勤続年数や年齢による)。 - 育児休業給付(育休中に給与の67%→50%を支給)。
労災保険について
労災保険は、業務中や通勤中の事故・病気・ケガを補償する制度です。
加入条件
- すべての労働者(正社員・パート・アルバイト)に適用。
- 労働時間に関係なく適用される(1日1時間のバイトでも対象)。
ルール
- 保険料は全額企業負担(労働者の負担なし)。
- 通勤災害も対象(通勤中の事故でも補償される)。
- 補償内容
→療養補償(治療費全額支給)
→休業補償(給与の80%支給)
→障害・遺族補償(後遺障害や死亡時の給付)
法定福利厚生のまとめ
制度 | 加入条件 | 主なルール |
---|---|---|
健康保険 | 週30時間以上勤務 / 2か月以上の雇用見込み(特定条件あり) | 医療費3割負担 / 傷病手当金あり |
厚生年金 | 健康保険に加入する人は自動的に対象 | 老後年金・障害年金・遺族年金が支給 |
雇用保険 | 週20時間以上勤務 / 31日以上の雇用見込み | 失業手当 / 育児休業給付あり |
労災保険 | すべての労働者が対象 | 業務・通勤中の事故・病気を補償 / 企業が全額負担 |